50．愛さんさんと。

今までの日記を読み返してみると
気の強い、キツい性格のように書いていた。

確かに気は強いが、本当は素直でやさしい。

人一倍相手に気を使ってしまうがゆえに
疲れてしまってつい口調がきつくなる。

僕はそんな姫がいとおしい。

ネタにするために
きつい性格のように書いていたけれど
普段の姫はとてもやさしい。

憎まれ口をたたいていても心豊かな人。

だからね、
たまには「姫とのほっとする話」を書いてみよう
……そう思ったんだよ。

時には惚気てみてもいいじゃない。
いつもは恥ずかしくて言えないんだけどさ。

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君のもとへ行く前夜。
大阪から埼玉までの長距離電話。
君はもったいぶった様子でこう言ったね。

「せっかく泊まりに来てくれるんだから
プレゼントを用意しておいたの」

何度聞いても答えは教えてくれなかった。

フレンチレストランでの会食後、一緒に君の家に向かったね。

とてもきれいな部屋だった。
君は微笑みながら……部屋の隅を指差した。

……
…………もしかして、僕のために？

クローゼットの中にはアレがあった……

ありがとう。君の愛を感じたよ。

わざわざ実家から
僕のためだけに……。

…………

「って、勘違いしないでね。
それ社員旅行の宴会芸用。」

え？
ええぇぇぇー！？

ひどいよ、ハニー。

PS
でもその夜
やっぱり姫はやさしかった……とさ。

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鷹揚さちさん