運転中に電話がかかった。
ハンズフリーが先日壊れたので、
仕方なく携帯を片手に運転。

白バイ襲来。
やばい。が、時すでに遅し。
『止まれ』の合図。

注意を受け、国際免許証を見せる。

「さて、警察署行く?
……お金は50リンギ
(×30=約1500円)だけど。」

とりあえず罰金を払おうと、札を出す。

「免許証といっしょに出しなさい。」

はい。

「あ、そのまま渡すな。免許の裏に。」

はい。

はい?

…………

ぽむ。
なるほどね、そういうことですか。
初めてだから越前屋わかりませんでしたよ。
そうならそうといってくださいよ、お代官様。

おぬしも悪よのう。

札をたたんで免許の裏に。

上機嫌で去っていく白バイ。

早速、会社の先輩に報告。

「Tさん、噂の賄賂体験しましたよー
ヘナチョコ英語でがんばってまくし立てたら、
賄賂50ですみましたー。がんばりましたー」

「は、50? 国際免許?馬鹿だねー。
日本人旅行者だと思ってボラれたんだよ、
おまえ。」

……でも僕は僕なりにがんばったんデス。

「英語しゃべったって全部は通じてないからな。
要は金欲しい、ラッキーとしか思ってないんだよ。」

……僕はがんばりまシタ。たぶん。

「オレはこないだ30に値切ったぞ。」

ボクハ ガンバリ……

……べ、勉強になったカラ いいんダイ。

「ねぎらねーたぁ、まだまだだな。」

……20カエセ。

でも堂々と値切れる ずぶとさが必要なんだろうナ。

ちっ。

ボクハツヨクナリタイ。
日本は自由の国だ。

「日本はいいなぁ」
「自由があるね」
「進んでる国だ」
「ラマダン(断食月間)がない」
「食べてはいけないものがない」

みんな言う。

「日本はそんな夢の国じゃないよ」
そう答えてきた。

彼らの夢を壊さない程度に。

中国系は言う。
「いや、すばらしいよ。
だって差別がないじゃない。
1つの民族しかないんだし。」

マレーシア政府のマレー人優遇法制のことだ。
(ブミプトラ政策、これに関しては後日)

身近で且つ最近話題になっている差別の
一例として、在日朝鮮人の話をした。

彼の追及が始まった。

「でもMさんの奥さんは韓国人だよ。
差別ってないじゃん。」

答えに詰まりながらも、

「『外国人である韓国人は
OKだけど在日の人はだめ。』
という差別があるのかもしれない」

ひとしきり考えた後、彼は

「日本ってヘンだね。」

日本は本当に自由の国なんだろうか。

*追記
差別に関する意識は取り扱うのが大変難しく、
人によってさまざまな意見があり
それぞれの理論や理由や体験があると思います。

ただ、日本人以外の人がどのように感じるのかを
記しておきたいと思い、ここに書きました。

差別を肯定または否定する立場を取るつもりは
ございませんので、ご理解ください。

*追記2
「『外国人である韓国人は
OKだけど在日の人はだめ。』
という差別があるのかもしれない」

という表現は正確には誤りで、
在日朝鮮人の方も法律上は「外国人」となっています。

ここでは、「外見においても日本語能力においても日本文化の知識においても『日本人』と区別がつかない」という意味で書きました。

出会い系。

2003年2月15日 異文化
旧正月のみかん話追記。

みかんの意味は幸せを願うことかららしい。
(シャンティさんありがとう。)

あのオレンジ色に何か意味があるのだろうか。
詳しいことはわからない。

で、みかんの話。

恋人のいない女性が川に向かってみかんを投げる、旧正月の締めの日の今日、行われる。
みかんを拾った人が運命の人。

これには少し意地悪な冗談があって、
「結婚を焦っている女性はメロンかスイカを投げよう」という。

大きいほうが拾われやすいという冗談だ。

写真と携帯番号もついでに貼っておけば、出会い系フルーツにでもなるのか。

メル友じゃなくて、オレ友。

響きがいまいち。
乙女が想い人に恋を伝える。

マレーシアは違う。

青年が愛を届ける。
指輪やアクセサリー、花束を。

欧米と同じく、紳士が淑女に愛を語る。


聖前夜に、彼女は言う。

「安いチョコで高いプレゼントがもらえる日なのー」

マレーシア人女性はちゃっかりしている。


*追記
この日記では以降
お付き合いしている女性を「カノジョ」
3人称単数形の女性を「彼女」
と表記いたします。

つまり昨日、僕は彼女から日本食をたかられただけです(笑)。ま、英会話の勉強になるからいいけど。

彼氏におごってもらえよっ。
義理すらないとはちゃっかりしている。
この国にそういう習慣がないらしいけれど。
なかなか刺激的なタイトル。
が、中身は普通なのであしからず。

マレー系やインド系の男性の指先を見ると、ときどきオレンジ色のマニュキアみたいなのをしている。

今まで
「男のくせに化粧するなんてふてぇ野郎だ。」
なんて思っていたが、今日聞いてみた。

「何でしてんの?」
「これは結婚したらするんだよ。」
「結婚指輪みたいなモン?」
「そう、男は左手の中指薬指小指にして、女は手足の指全部にするんだ。」
「ほう、何でまた?」

「これがないと俺に惚れる女がいっぱいいるからさっ」

「…………」

結局、本当の理由はわからなかった。
ただの習慣って言っていたけれど。
10歳の青春の日々。

「ひょっとしてこれは恋?」と自問しながら、
ドキドキが止められなかったあの夏の日。

トイレに行くのも恥ずかしくて、好きな子に見られぬように校舎の端まで急いだあの秋の運動会。

あれから15年以上も過ぎた。
そして僕はひとりマレーシアの地に立っている。

あの時よりも僕は成長しているだろうか?
自意識過剰で何でも恥ずかしかった子供は、何を失い何を得たのだろうか?

いや僕は何も変わっちゃいない。
大人になったら自分が変えられるなんて、嘘だ。
何も変わらなかった、そう何も。

誰も自分を正してはくれないし、ましてや自然に変わっていくなんて事はない。だから現実に向き合って必死に生きていくしかない。

現実を見よう、現実を。

マレーシアには紙がない。
10歳のあの日、トイレを急いで探していたあの日から僕は全然変わってなかった。マレー系労働者がほとんどのこの工場にはトイレに紙が存在しなかったんだよ。

そう、必死で探したよ、必死でさ。

……いや、違う。
僕は成長している。
あの子供は変わっていたんだよ、
あれから……恥ずかしがり屋の僕から。

「紙のあるトイレはどこ?」
ってみんなに聞いて周る事ができたからね。

大人って強いんだね。
でも便意のほうが強かったかもしれないけれど。

それでもいいんだ。強くなれたから。

いいんだ、これでいいんだよ……多分ね。
そう思える事が大人になったって事なんだと思う。

……大盛り大盛り、すっきりぽんぽん。
猫も杓子も旧正月。あなたも私もお正月。

ということで店が開いていない。
食事に困る。こんなこともあろうかとうどんの買いだめがあったので、それでしのいだ。

マレー料理をもっと好きになればいいのだが、甘辛い味はまだ慣れる事ができない。

で、正月に関して。
こちらではみかんを食べる。どこに行ってもみかんを出してくれる。中国本土から輸入しているそうな。

「何でみかん食べるの?」ときいても、「さぁ」「昔からそうなってる」と言う。

今度年配の人に聞いてみることにする。

それでは今年もよいお年を。
28日〜30日とタイのバンコクへ出張していた。
仕事が忙しく、街中を歩くことはほとんどできなかったが、マレーシアとの違いを少し知ることができた。

それは街の印象。タイのバンコクはごっちゃごちゃに建物があった。一流ホテルの隣にすぐ汚く古いアパートがあったり、きれいなレストランの横に屋台がたくさん道沿いに並んでいたりなど。

そういう意味ではマレーシアのほうが洗練されているように思えるが、観光で来る分にはタイのほうがアジアの活力を感じることができるのかもしれない。

実際、空港でも免税店の数がマレーシアの比ではないぐらい多い。観光収入割合ははるかにタイのほうが上だろう。

植民地化されなかったためにタイ固有の文化が多く残されているのも大きな理由だろう。

次にタイに行く機会があればもう少しいろいろ見てまた考えてみたい。
誕生日が今週月曜日だったが、もちろん独りだったのでさみしくケーキなんぞを買って帰った。

さて、そんなやさぐれクンはさておき誕生日に関して文化の違いをひとつ。

こちらでは日本と違い、誕生日のパーティを自分で企画して友達を招待し、食事をおごる。

彼らに聞いてみると「自分が幸せな日なんだからおごるのは当たり前」だとか「プレゼントを貰うのでそれと相殺するため」と返ってきた。

逆に「自分のための日なのになぜ自分で企画しないの?」と聞かれてしまった。

「自分のお祝い事を自分で企画するのは恥ずかしい」と考えてしまうのは日本の文化なのだろうか。

しっかり日本人の僕は誕生日を独りで過ごすことになったが、来年はマレーシアスタイルでもいいかもしれない。

そんなやさぐれ今日この頃。
タイプーサムという祝日がマレーシアにある。
インド系の人々のためのものだが、その内容は初詣のようなもので、寺院にお参りするらしい。

そこでは苦行をしている人がいて、体中に針を刺したりして幸せを祈る。
見るだけで痛そう、という訳で行かない。

今日はお祝いの「オープンハウス」に招待されて行ってきた。
インド系の人々が自分の家でパーティを開き、みんなに食事を振舞うというものだ。

特に盛り上がりがあるわけではなく、人が来ては食事をとって帰る、これの繰り返し。

このタイプーサムに限らず、マレーシア人はオープンハウスが好きなようでよくやっている。

「盛大なイベントで盛り上がる」よりは「みんなでまったり集まって話す」というのが好きなようだ。

「きっちり計画を立ててイベントを行うのではなくて、のんびりまったりと楽しむ」というのが国民性をあらわしている……というのはちょっと考えすぎだろうか?

今日はお腹いっぱい、ごちそうさま。
マレーシアには3民族が暮らしています。

マレー系(60%)
中国系(30%)
インド系(10%)

この日記では
3民族あわせたマレーシア国民を示す場合には
マレーシア人と表記します。

またそれぞれの民族のことについては
マレー系 または マレー人
中国系 または 中国人
インド系 または インド人
と表記します。

ややこしいですが、このように表記しますので
お間違えのないように。

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